食べ物の科学に気づいたことはありませんか?
人間は調理をすることで栄養素を効率よく摂取しています。ところで、プリンはなぜプルプルなの?温泉卵は、茹で卵と違ってなぜ黄身が固まり、白身が固まっていないの?といった、身近な食べ物の不思議に気づいたことはありませんか?
普段、何気なく食べている食べ物の中にはたくさんの科学が含まれています。今回は、栄養素のたんぱく質の面から、キッチンにおけるたんぱく質の科学の一例を紹介します。
調理方法で変化するたんぱく質の不思議
我々の身体を構成するたんぱく質は人体の約15%を占めており、20種類のアミノ酸から合成されています。たんぱく質が不足すると、発育不良や、組織や臓器の機能が低下することとなります。我々は、たんぱく質を食事から摂取していますが、その主たるものは、肉・魚・大豆・乳類かです。たんぱく質を効率よく摂取するために調理では様々な方法が用いられています。例えば、肉を焼くことやゆで卵にすること(熱変性)、豆腐が固まっている(塩析)、ヨーグルトが固まっている(酸変性)、中華料理で出ているピータン(アルカリ変性)もそうです。また、お菓子が焼けたときの良いにおいとなる砂糖とたんぱく質のアミノ酸が結合(メイラード反応)など、キッチンには多くの科学が満載です。
キッチンにはたくさんの科学が含まれています。身近な科学から食べ物の不思議を発見してみてはいかがでしょうか?
和洋女子大学家政学部
健康栄養学科 准教授
管理栄養士 博士(医学)
多賀昌樹
千葉県市川市国府台2-3-1
☎047-371-1591